うみやまかわ新聞
北海道 利尻島版

利尻に伝わる麒麟獅子

利尻島の長浜地区に伝わる伝統芸能
「麒麟獅子」は人々の幸せを願って舞う芸能です。

利尻に伝わる麒麟獅子
利尻に伝わる麒麟獅子

 利尻島の長浜地区に伝わる麒麟獅子は、人々の幸せを願って舞う芸能です。麒麟獅子は猩々というあやし役と一緒に、ふえ、かね、たいこの音に合わせて舞います。麒麟獅子は人々に幸せが授かるようにと願いをこめて、地面すれすれまで顔を低くします。麒麟獅子の顔は面長で、額に角と直立した両耳があり、鼻の穴は天井に大きく開いています。猩々は、赤い面と衣装、長いかみをまとい、長さ1.5メートルの赤い棒を持っています。

 1887年(明治20年)頃、漁業を手伝うために、鳥取県から利尻島の長浜地区にわたってきた人達がいました。1908年(明治41年)、彼らが鳥取県に里帰りした時に、故郷の芸能だった麒麟獅子を利尻島へもってきたと言われています。鳥取から麒麟獅子をもってきた理由として、利尻島から1000キロメートル以上はなれたふるさとと麒麟獅子でつながり、がんばっていこうと思ったことが考えられます。

 長浜地区では、鳥取県鳥取市秋里地区出身の伊佐田長蔵さんが麒麟獅子を舞っていましたが、1918年(大正7年)を最後に舞われることはなく、麒麟獅子に使われる道具は木箱に入って永いねむりについてしまいました。

 しかし、2004年(平成16年)、長浜地区の住民たちが麒麟獅子のことを調べて、麒麟獅子を復活させました。それ以来、毎年6月20日に、長浜神社の境内で利尻島に山や海からのめぐみと幸せがたくさん訪れることを願って舞っています。

 麒麟獅子の舞いは、徳川家康のひ孫が東照宮を建立し、そのお祭りの行列で行われたのが始まりと言われています。当時の徳川氏と池田氏の権威を表すものとしての麒麟獅子が、これからも引きつがれていけばいいなと思います。利尻島に来たらぜひ、6月20日に行われる麒麟獅子の舞いを見に来てください。